七律·人民解放军占领南京

作詞 毛泽东、作曲 -

钟山风雨起苍黄,
百万雄师过大江。
虎踞龙盘今胜昔,
天翻地覆慨而慷。
宜将剩勇追穷寇,
不可沽名学霸王。
天若有情天亦老,
人间正道是沧桑。

七言律詩・人民解放軍、南京を占領する

作詞 毛沢東、作曲 -

南京の風雨は突然起こり、
百万の精鋭は大河を渡る。
勇壮な地形今は昔に優り、
何が起きようと意気盛ん。
勇気あふれる解放軍は敵を追い詰め、
項羽に学びて名誉を追うべからず。
天に情有らば天もまた死す、
人の正しきは移りゆく。

概要

歌詞の荘厳さが伝わるメロディで、合唱になると重々しい歌声が心にまで響いてくるようだ。これほどまでにいい曲を作っているのに作曲者の名前は伝わっていない。残念である。

1949年4月20日、国民党は共産党が提示した和平協定文書への署名を拒否した。これを発端に人民解放軍は一気に攻勢をかけ、特に鄧小平の指揮する人民解放軍第二、第三野戦軍は江西省から江蘇省に至る黄河の200km以上に及ぶ箇所で戦闘を仕掛け、第三野戦軍は4月23日に南京を占領した。この知らせを聞いて毛沢東主席は欣喜雀躍、嬉しさのあまり七言律詩を書いたのが本歌だ。

動画は中国中央電視台の番組から。人民解放軍の人たちが合唱している。七言律詩としてはある程度平仄・押韻は整っているものの、かっちりはしていない。難しい単語の説明をすると以下のとおり。

鍾山
『江南通志』より。江寧の東北にある地名。諸葛亮が言及した。ここでは南京を指す。
虎踞龙盘
『太平御覧』より。諸葛亮が南京の西にある地形を見て形容した時の言葉。
勇追穷寇
『司馬法』より。「穷寇勿追」(窮鼠を追うなかれ)という言葉がある。敵を追い詰めすぎるなということだが、ここではその反意語が使われている。
霸王
西楚の覇王と呼ばれ、秦の国を滅ぼした項羽のこと。楚を共産党、秦を国民党に見立てて歌っている。
天若有情天亦老
李賀『金銅仙人辞漢歌』より。天がもし国民党の圧政を見ているのであれば、そんなものまさに滅ぶべくして滅ぶべし、といった意味。
沧桑
沧海桑田。大海が田んぼに変わる。変化が激しいもののたとえ。革命を通して旧習を打破していかねばならぬことを指す。